2018年7月14日(土)~2018年7月16日(月)
津軽ジャーニーランとは
平成30年7月14(土)17:00に弘前公園(弘前城のある公園)をスタートして、16日(月・祝)20:00までに14箇所のチェックポイントを通過し、津軽半島を一周して弘前市に戻ってくる大会です。距離は263kmで制限時間は51時間となっています。
また、この大会は萩往還と違って、コース上には誘導員もいなければ、また、分岐点には矢印等の道案内表示もされておらず、とくかく渡された地図だけを頼りに地図読みして進んでいくことがルールでした。

弘前公園東門スタート 17:00
生まれて初めて青森県に上陸した。今まで東北地方にも行ったことがなかったので、青森県は山口県より北にあるので涼しいのかと思っていたが、ふつ~に暑かった。
弘前公園東門を17時に174人が一斉にスタートした。最初は、地元のランニングチームが先導をして約20kmを道案内してくれる。先導ランナーを追い抜いたら失格となるルールであった。
その先導ランナーのペースが結構速くて、10km過ぎたらランナーの列もバラバラになっていった。
嶽温泉第1CP(19.4km) 19:06到着
チェックポイントに到着したら、チェックシートに到着時刻を記入することになっている。記入するのであれば、当然書く物はあるだろうと思っていたが、なんとセルフ、自分で書く物を持っていなければいけなかったのだ。焦りました。スタッフにボールペンを借りてなんとか時刻を記入することが出来た。
第1CPを出発した頃から日が落ちてきた。土地勘がないので、夜になったら全く道がわからないため、前のランナーについて行く作戦を考えていた。第1CP~第2CPまではほとんど下りであるが、26.9kmの距離がある。山を下っているため、その間、街灯や自販機、ましてやコンビニはなし。ノーストップで第2CPを目指すだけだった。前のランナーを尾行するようについて行って第2CPに到着した。
日本海拠点館第2CP(46.3km) 21:39到着
ここから竜飛岬に向けて、77km北上する。第2CPから7kmぐらい進んだところにローソンがあった。先輩ランナーから、このローソン過ぎたら当分コンビニがないよと言われ、レッドブルー、水を購入した。
確かに、ローソン過ぎたら田園地帯をひらすら走る。明かりは何もなく真っ暗、蛙の合唱だけが聞こえる。もちろん、車も通らない。

亀ヶ岡遺跡第3CP (64.6km) 23:39到着
変化のない道をひらすら進むしかない。青森県の道路は北海道を思わせるような直線で道路が造られている。直線道路は、距離が長く感じて自分は苦手である。
十三湖のエイド(80.7km)に到着。ここはCPではなくエイドのみ。ここで、念のため痙攣止めを飲もうと思って、そればかりに気を取られていたら、マイコップを忘れてしまう。このあたりまで周りに他のランナーもいたが、さすがに80kmをすぎるとついて行けなくなり一人旅が始まる。一流のウルトラランナーは、一定のペースで進みスピード落ちてこない。さすがである。
鰊御殿第4CP(92.4km) 2:55到着
ここは、軽食のあるエイドの2つのうちの1つ。鰊御殿エイドに入るは、国道から脇道に入らなければいけないが、自分は別れ道でどっちに行ったらいいかわからず感で右の道を進むことにした。後ろにランナーが来ていたので間違っていたら、声を掛けてくれれるだろうと思っていた。そして、少し進んだところで後ろを振り返ると、さっきまで後ろにいたランナーがいなくなっていた。「やられた!」と思ってしまった。普通なら、「間違っているよ~」って声をかけてくれるものと思っていたが、シビアなんだなと。ここで、頼るものは自分だけと改めて気を引き締めた。
エイドに着いたのはいいけど、今度はコップがない、どうしようかと悩む。いざとなったら、ペットボトルに入れて飲むしかないかと考えていた。まず、エイドの方に、「コップを前のエイドに忘れてきたんです。コップがありますでしょうか?」って恐る恐る聞いてみた。その方は、コップを渡してもいいのかなという感じで周りのスタッフに目配せをしてくれて、「このコップを持って行き!」っとプラスチックのコップを渡してくれた。これからまだ170kmあるのにエイドで飲物が飲めないのは辛いなと思っていたのでとっても有り難かった。
軽食として、カレーライス(ウルトラマラソンでは定番の食事)を頂いたが、辛さがなくて正直もうちょっと刺激のあるカレーが欲しかった。
竜飛岬まであと30km、足にも少し疲れが出始めてきたが、竜飛岬目指して出発した。
津軽の像記念館第5CP(97.5km) 3:56到着
さすが青森、この時間にはライトを点けなくていいほど明るくなっていた。ここは、無人のCPとなっている。時刻を記入し出発。次がいよいよ竜飛岬のCP、しかし25km先。
竜飛岬の手前に、このコースでは名物の5kmの超激坂が待っている。事前に噂では聞いていたが、まぁ~ほんとに激坂。筒ら折の坂で、登っても登っても坂が待っている。最後の方は坂はもう来ないで~って叫ばなくてはいられない状態だった。激坂もさることながら、自分はふたつのことに苦しめられていた。一つ目は、山の頂上に向かっているので、太陽との距離が近くて暑いのなんの。二つ目は、低血糖気味で体に力が入らなくなっていた。次のエイドで長い休憩を取ることを決めた。
114.5kmの眺瞰台エイドに到着した。低血糖だったので、ビスケット、あんぱん、チョコレート等の甘い物を取った。ぞして、体の疲れもあったので15分くらい休憩をさせてもらった。前のランナーとも1時間、後続のランナーとも1時間以上離れていて、ず~っと一人旅になっていた。竜飛岬まであと8.5km。
糖分を取ったおかげで体に力が入るようになり竜飛岬まで快調に走れた。
龍飛地区コミュニティーセンター第6CP(123.0km) 7:46到着
竜飛岬には、石川さゆりさんの名曲「津軽海峡冬景色」の記念碑?が造られている。ボタンを押すと大音量で曲が流れてくる。自分が到着した時には、ボタンが押され曲が流れていた。
夏に聴いても、石川さゆりさんの声とメロディが心地よくて、疲れが癒された。また、ここには、日本で唯一の階段の国道がある。自分はちょっと道をロストして通ることが出来なかったのが残念である。
ここから、海岸沿いを約55km走るようになる。

ふれあい文庫第7CP(139.2km) 10:20到着
やっと全コースの半分を通過。体の疲労と暑さとの戦いになってきている。
海岸沿いを走っていると、青森県と山口県の違いを感じることがあった。それは、海岸沿いにはところどころに漁村があるが、コンビニはもちろん普通のスーパーもなかった。漁村なので、おいしい魚は獲れると思うが、肉、野菜はどこで買っているのだろうと疑問を感じた。もう一つ、集落はあるのに自販機がほとんど置かれていないことである。山口県であれば、なんでこんなところにという場所にも自販機があったりするが青森県にはない、おまけに、たま~にあったとしても、缶入れが置いていない。なので、たま~に見つけた自販機でも缶入れがあるかないかを確認して飲物を買うことになる。コンビニやスーパーがないので、暑さをしのぐところがなかった。どうするかというとここは自己責任。体を冷やすために、川に入ったり山から流れてくる水に顔浸けたりして暑さをしのいだ。中には海に入ったという者もいた。
ほとんど、サバイバルゲームみたいになっているので、生きるためにはなりふり構わずやるしかなかった。
途中お腹が空いたら食べ物も自分で調達するしかなかった。
15日の昼頃に空腹になって、食堂を探して走っていた。先ほども、書きましたがお店がないので、パンも買うことが出来なかった。やっと、お米屋さんだったが、食べ物を売ってそな感じがしたので、そこの奥さんに「食べるものありますか?」って聞いたところ、汗だくでボロぞうきんのような自分を見て、やばい人かと勘違いされたようで、「もうちょっと先に食べ物屋がふたつありますよ」って教えてくれてお店に入れてもらえなかった。奥さんの言葉を信じて、進んでいくと、本当にラーメン屋とご飯屋の店があった。
温かい物が食べたかったので、ラーメン屋に入った。もちろん、また不審人物に扱われるのではないかという不安があった。そこは、老夫婦が2人で経営していた。入ったら、普通に受け入れて頂いた。醤油ラーメンを注文した。やはり、ボロぞうきんの自分が気になったらしくすぐに話しかけられた。
「どっから来たの?」たぶん、話してもピンと来ないと思ったが一応説明をした。
「弘前市を出発して、竜飛岬に行ってこれから弘前市に帰るところです。」
「・・・・」 やはり、そうなりますよね。
おかみさんが作る係、おとうさんが接客係をしていた。おかみさんが、私のゼッケンを見て、「なにかの大会なの?」と聞いてきたので、「津軽半島を一周する大会です」と答えた。
すると、おかみさんが、先に店に入られていたお客さん二人に、「こちらの人の方を先にしていいですか」と聞いてくれて、一応、「自分は後でいいです」と断ったが、二人のお客さんが了承してくれて先に作ってもらえることになった。後で、おかみさんが自分を先にしてくれた理由がわかった。ここは、スープが作り置きではなくて、注文を受けてから作るようだったので時間が10分くらいかかった。ラーメンでの10分は結構長かった。ラーメンはというと、麺は縮れ麺で魚の出汁であっさり系だった。出発するときは、おかみさん、またお客さん二人にも、「頑張って」と激励していただき元気をもらえた。
道の駅たいらだて第8CP(158.6km) 13:58到着
日中の一番暑い時間帯。ここでは、体を冷やそうとアイスクリームを購入し少し休憩をした。次のエイドは、二つ目の軽食があるところだったので、目指して南下した。ここも、国道を走るが、とにかく直線道路。体の疲れも溜まってきているし、走っても走っても進んだ感がないのは辛かった。
ふるさと体験館第9CP(178.4km) 16:47到着
軽食エイドだったので、何が出来るのか楽しみにしていた。出てきたものはなんと、鰊御殿で食べた同じカレーライスが出てきた。でも、文句は言えない。ボランティアでエイドをやって下さる人がいるので自分たちは走らせて頂いているのだから。
でも、体調が少し良かったのか、おいしく感じて2杯食べてしまった。ここで、足の裏にマメが出来て痛かったので、靴下とシューズを履き替えて出発した。
次のエイドまでは、2番目に長い25.8kmあるので、気合いを入れて出たところ、出発して10kmぐらいのトンネルで不覚にも転倒してしまった。転倒しないように気をつけていたつもりだったのだが、疲れて足があがらなくなったのかわずかな段差につまずいてしまった。踏ん張ってみたが、足が前に出ないので顔から落ちてしまい、軽い脳震盪になった。よく萩往還で転倒して顔を怪我されている人がいたが、こういうことで顔から落ちるんだと実感してしまった。右の顔、膝、手の指、肩を擦りむいてしまった。でも、青森まで来てこんなことでやめるわけにはいかなかった。リタイヤしてしまうと、記録が残らないので180km走ってきたことがなくなってしまう。また、リタイヤした場合は、交通機関等を使って自力でゴールまで帰るのがルールになっていた。そのため、次のエイドまで16kmぐらいあったが、先に進むしかなかった。途中、暑さによるのか頭を打ったことによるのか、頭痛がしてやばいなと思うことがあった。
総合文化センター「パスナス」第10CP(204.2km) 21:41到着
エイドに到着すると、スタッフが私の顔を見て「大変なことになっていますよ。鏡を見て下さい。」と言われてしまった。鏡を見ると、顔は汗と血でぐちゃぐちゃになっていた。幸い傷は深くはないようだった。応急処置をして頂き出発した。
金木町観光物産館第11CP(212.1km) 23:16到着
ここは、太宰治の生家「斜陽館」の向いにあるエイドである。斜陽館は暗くてよく見えなかったが、木造の大きな建物であった。
道の駅つるた第12CP(231.4km) 2:45到着
疲労が激しく、かなり歩く回数が増えていた。あと、32km、フルマラソンの距離はもうない。体に力が入らなくなっていたので、休憩を20分くらい取った。
スタートするがやはり走れない。歩きが多くなる。
次のCPの中間点にスポーツプラザ藤崎エイド(242.1km)がある。ここで、生りんごシューズを2杯いただいた。美味しかった~。少し元気で出る。頭の中は、あと20km少々、頑張ろうとそれだけしかなかった。
松の湯交流館第13CP(252.3km) 6:49到着
やっと、あと11km。辛くて早くゴールしたい気持ちしかなかった。
転倒して怪我したところもだが、250km以上ザックを背負っているので、体と擦れて傷になり、それに汗が浸みて、体中いろいろなところが痛くてたまらなかった。早くその痛みから解放されたいという思いしかなかった。
田舎館役場前第14CP(257.2km) 7:37到着
やっと、やっと、やっと最後のエイドに到着。残りは5.9km、キロ10分であと1時間でゴール出来ると思うとちょっと嬉しくなってきた。
ゴール目指してスタート。おっちゃんですが、ここまで頑張ってきた自分に感動して、ウルウル・・・辛かったことを思い出してウルウル・・・
もうゴールは目前になってきた。
さくら野百貨店 ゴール(263.1km) 8:28到着
263km長くて辛かったけど、最後は笑顔のゴール。
39時間28分47秒 10位
この大会には、ウルトラマラソンの強者が多くエントリーしていたので、この順位は出来すぎです。夏に超ウルトラマラソンを走ると過酷でこんなにも精神修行になるのかと思い知らされました。
その後、お風呂に入ったのですが、体を見るとあちこち傷だらけになっていました。足には、ほとんどの指にマメが出来ていた。お湯が体中に浸みて痛かったので、シャワーだけで湯船に浸かることができなかったです。

