5月26日(日)、ウルトラマラソンに初挑戦。ホントは「しまなみ遠足」に参加するつもりがエントリー漏れして、全くノーマークのこの大会にスライド。コースは島根半島の東端をスタートして出雲大社がゴール。制限時間は14時間。個人の部と2~5名のチームの部があり、参加費も個人が7千円とウルトラにしては格安。アップダウンが厳しく完走率は例年7割程度みたいだが迷わず飛びついた。

大会前に風邪をひき、当日も炎天下でのレースが予想され直前まで参加を迷ったが、とりあえず現地入り。前日受付で土産を渡すと大声で紹介されスタッフ全員からお礼コールを浴びて相当恥ずかしい。体調はほぼ戻り当日は4時前に松江市役所から送迎バスに乗りスタート地点の美保神社へ。最高気温は30℃を超える予報。すでに車内は冷房が効いており嫌な予感。こちらはもうレース着なんで逆に寒い。スタート10分前に集合写真を撮ると言われたが、時間が押したのか何もなし。「しまねっこ」を交え、カウントダウンもなくゆるい感じで5時半にスタート。個人504名、チーム314組が出走。

5km過ぎから早速登り坂。歩く人もいたが行けるところまで登りも走る。10kmで日本海に抜けてからは60kmに亘り半島の海岸線沿いの集落を走る。細かいアップダウンが続くが眺望は良い。
20kmまでは体力もあり、エイドにスイカがあったり、名前で声援されたりでまだ楽しいと思える。しかし8時を過ぎ本格的に日が射してくると徐々に暑さと登りが堪えてきて、景色も目に入らなくなる。

30kmからの「チェリーロード」は名前と裏腹に激辛。秋吉台ハーフの折り返しからの登りがエンドレスな感じ。続く約1kmのトンネルは日が当たらないだけうれしい。40km地点4時間。エイドのコーラが美味しくておかわり連発。

45kmからは島根原発裏の山越え。「10時間半が目標」という出場3回目の人と少し並走。確かにここまではキロ6分ペースだが、そろそろ登りは走れそうにない。「70kmまでの山道が大変なんでしょう?」と尋ねたら、「むしろそれ以降の平坦な市街地のほうが信号待ちなどで計算できない」という。
その人に離されたあとついに歩き開始。勾配を抜けた50km付近のころには完全に足を使い果たす。アップダウンを走りすぎたせいか両方のひざ裏のスジがちぎれそうに痛い。どこか悪いのか“走る調律師”レオさんが平坦なのに歩いてる。リタイアの妄想が膨らむが、とりあえず痛み止めを飲む。

55km地点5時間45分、鹿島エイド到着。萩往還で見かけた鬼太郎が頭から水をかけてもらってる。食欲ゼロだが少しは固形物をとおむすびを口にするが全然喉を通らない。何故か腹の調子も悪い。このエイドは荷物の受け渡しがあるが、ここで荷物を預けると棄権した場合はゴールの出雲大社まで荷物を取りにいかねばならない。小休止かそれとも終止か。炎天下と体の負担を考えると大いに悩む。しかし、55kmではあまりに短い。痛み止めも少し効いてきたし、行けるとこまで行ってみることに。
ぼんやりと鹿島エイドを出るといよいよ最大の難所の「横手林道」。つづら折りの山道が10キロ近く続く。下りだしたかと思うとその何倍も登りが待ついやらしい道。走って登るのはタスキをつけたリレー組だけ。「ロードでこの勾配はありえんやろ!」と毒づいてると、ようやく路面に「オ ツ カ レ サ マ」の文字が。そのあとの下りもヨレヨレ。

70km地点8時間10分。ここからは一転フラットなコース。その反動かその後5kmはなぜかキロ5分48秒ペースに。周りの人も同じ心境なのか結構走れてる。
75kmからは宍道湖沿いに西へ。さっきのペースアップが最後の灯だったのか、燃え尽きたように失速。水を飲んだらすぐ腹痛。痛み止めももう効かない。気温は31℃。走るのはもちろん歩くのも苦痛。太陽に炙られ、これなら山道のほうが木陰があってよかったとさえ思う。

85km地点10時間。沿道の人やスタッフの声掛けもプレッシャーにしか感じられない。他の人が走るのを見るのもつらくなってきた。歩き続ければ制限時間には間に合いそうだが、完全に心が折れた。そもそも残り10キロ以上歩いて完走と言えるのか、とマイナス思考全開。水分をとってもすぐ下して吸収できないのはもうヤバイ。何よりトイレを心配しながら走るのはもう嫌だ。しばらく公園のトイレにこもった後、棄権ポイントを物色してトボトボ。
16時、平田国富郵便局前から事務局へリタイア通告。走行距離は自己申告で86km。「しわい」まで粘れなかった。

出雲大社に向かう車内から一緒に走っていた人たちがまだ頑張っているのを見ると、何とも言えない気持ち。文字通り「山場は全て乗り切った」と納得しようとするが、やはりすっきりしない。途中で言われたように平坦になってからが本当の正念場なのかもしれない。
事務局によれば、あのコンディションでも個人完走率は61.9%。あの日完走されたすべての方に心より敬意を表します。

改めて振り返ると反省点ばかり。初めてのウルトラなのにフル並の考えで完全になめてた。
一番まずかったのは炎天下なのに体を冷やす対策を全くしなかったこと。エイドごとに勧められた水浴びもなんか抵抗があって一度もせず、帽子は黒色で熱こもりまくり。レース後も4,5日頭がぼんやりしていた。腹を下したのは水のがぶ飲みで胃をやられたせいだろう。
他の人のブログをみると自販機で買った水を体にかけたり、エイドでもらった氷を帽子で包んで走ったりしている。水分もエイドではコップ1杯を心がけ、走行中にハイドレからちびちび補給。速い人は腹が張るからコーラには手を出していない。
エイドでは座らないことを心がけたが失敗レースに終わるとそれもどうか。ウルトラは足が復活するから面白いというぐらいだから、座ってしっかり休めばよかったと思ってしまう。(レオさんも予定どおり?復活して11時間ちょいで完走。)
足の負担を分散させるために走りながら着地や歩幅を変えることも必要だった。

大会運営の方はアットホームでとてもいい感じ。安い参加料で温かくもてなしていただき本当にありがたい。ただリレーチームの伴走車にはウンザリ。リレーポイントが決まってないため狭い山道をひっきりなしに車が往来して、疲れた走者にはすごいストレス。中継ポイントを決めて走行箇所を限定するなど改善してほしい。

25キロ以降はずっと地獄。走りながら二度とフル以上は走らないと思った。ひと月近く経ってもひざ裏が痛くて走れないなど代償も大きかった。でも喉元過ぎればで、今は次のウルトラが待ち遠しい。そして、来年また後悔するんだろうな~

mick